皆さんはキンカジューなる動物をご存知でしょうか?
アライグマ科キンカジュー属の食肉類で、メキシコからブラジルにかけて広く分布しています。
食性は植物が好物で主に果実(アボガド・ガァバ・マンゴー)や蜂蜜、昆虫等です。
20数年前にアライグマも日本で流行って、ペットとして飼われることがありましたが、その気性の荒さから捨てられて日本の生態系を乱したことがありました。
当時、勤務医をしていた私は患者で来院されたアライグマの診察をする機会がありましたが、タヌキ同様攻撃的で保定に苦労した記憶があります。
今回ご紹介するキンカジュー君(1歳半)は健康診断で来院されました。
こころなし緊張して固まっている感じです。
その前日に購入されたとのことで飼い主様もまだ慣れていないようでした。
キンカジューもアライグマ科の動物ですから、慎重に対応します。
下は全身の身体検査から爪切りに移る時の写真です。
咬みつき、暴れ始めました。
尻尾を手のように自在に操り、我々の腕に巻きつけて動きを制御しようとしています。
最初はこちらの出方をみていたようで、ゆるい奴だなと思われたかもしれません。
筋力もあり、こちらが力でねじ伏せるのはかなり厳しい状況です。
結局、洗濯袋に入ってもらい、処置を終えました。
かのパリス・ヒルトン嬢はこのキンカジューをペットとして飼育しており、最近では咬まれて病院で破傷風のワクチンを接種したことで話題になりました。
珍獣と言われても野生動物です。
獣医学的にも基礎データさえない動物ですから、病気になった時には治療は試行錯誤を繰り返すことになるかもしれません。
理想的な飼育環境とバランスのとれた食餌で元気に過ごされることを祈念いたします。
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