こんにちは 院長の伊藤です。
本日ご紹介するのは、ブログ登場は久しぶりのカメレオンです。
カメレオンはコオロギ等の生餌を捕食します。
当然生餌ですから、口の中に取り込んだ瞬間に即死するわけはなく、口腔内で暴れたりすると口腔粘膜を傷つけたりします。
その結果、口腔内の炎症・膿瘍が生じます。
この口腔内炎症・膿瘍を総称して
マウスロットと呼びます。
以前、パンサーカメレオンの口腔内膿瘍についてコメントさせて頂きました。
その詳細は、
こちらをクリックして下さい。
デレマカメレオンのデルマちゃん(雌、2歳)は右側口角部の腫脹が気になり、来院されました。
デレマカメレオンは俗に角カメレオンと呼ばれる、3本角を有するジャクソンカメレオンに代表される品種の仲間です。
正式にはカメレオン属ミツヅノカメレオン亜属デレマカメレオンと呼びます。
雄は3本の角がありますが、雌にはありません。
雄はこの3本の角をぶつけ合って戦うそうです。
デレマちゃんは口角の内側が腫れて、その痛みにより食欲がありません。
下写真黄色丸の部位が腫脹しているのがお分かり頂けると思います。
上から見た状態ですが、下写真黄色丸の部位が顕著に腫れています。
指で圧迫を加えると流動感を感じます。
口腔内に膿瘍が出来ているように思われます。
歯や舌を傷つけないように綿棒を使用して圧迫排膿をします。
口角の外側面の痂皮(かさぶた)が剥がれました。
下写真黄色矢印が圧迫されて出て来た膿です。
みるみる多量の膿が出て来ます。
皆さん、お気づきだと思いますがデレマちゃんの体表部が黒い点が出て来ました。
この小さな黒い斑点は警戒体勢になると現れるとされます。
いきなり患部を圧迫されて、デレマちゃんはかなりご立腹のようです。
デルマちゃんは痛がって暴れますが、外見上ワサビのような膿が多量に出ました。
患部を排膿後は、顔面もすっきりしてきました。
下写真黄色丸の部位に示すように腫れもある程度引きました。
口腔内をゾンデ等で洗浄できると良いのですが、カメレオンは威嚇した時に誤嚥するケースもあるので避けた方が賢明です。
デレマちゃんには、しばらく抗生剤を内服して頂き、治療を継続する予定です。
綺麗な黒色斑点ですね。
緑の体表色に映えています。
デレマちゃん、お疲れ様でした!
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