こんにちは、獣医師の苅谷です。
みなさんはGWはいかがお過ごしでしたでしょうか?
私は病院業務が忙しいなか、休日を頂き、小・中学校のぷち同窓会に参加して
きました。
彼らと仕事の話をし、自分と比較してみると「あぁ、この仕事はやっぱり忙しいんだ
な」と実感させられました(^_^;)
この話はここまでにして、今回はノミとマダニの話をさせて頂きます。
こちらは外来の患者様より採取したノミを顕微鏡で拡大した写真です。
ノミの成虫へは卵から幼虫、さなぎを経て成虫になります。
幼虫、成虫は冬ぐらいの気温になると活動できなくなり、死んでしまいますが、冬の
気温に耐えうる卵やさなぎを草むらで被毛に付け、室内に持ち込むことで孵化して
しまいます。
次はマダニの画像です。
さてこのマダニなのですが・・・
ダニ類はノミと異なり、卵から幼ダニ、若ダニ、成ダニと発育し、吸血します。
この写真のマダニは足の数が6本なので幼ダニです。
若・成ダニになると8本となります。
マダニはノミと違い、季節に関係なく一年中、森や道の草むらに潜んでいます。
散歩中、わんちゃんが草むらに近づいてきた隙を狙いマダニはガブリと
くいつきます。
*フロントラインのパンフレットにも掲載されている写真ですが、実は
伊藤院長が撮影したものです。
このチワワ君ですが、草むらに入って約10分後に出てきたら、鼻周りに黒いのが
いっぱいついているとのことで来院された時の写真です。
かなりのショッキングなこの状態なのですぐに虫を手でとってやろうと
思うかもしれませんが・・・
この時、マダニを無理に引き剥がそうとしないでください。
その場合、マダニの頭が突き刺さったままになり、雑菌が体の中に入ってしまい、
化膿する場合もあります。
マダニを摘出する場合には、後に紹介するフロントライン等を使用するか、線香で
マダニの頭を炙って取ってください。
さて
「ノミ・マダニに咬まれるとかゆくなるだけだよね」とお思いのあなた
実はそれだけではありません。
刺された時のかゆみだけではなく、貧血、アレルギー性皮膚炎、下手をしたら大変
な病原体をわんちゃん達、そして我々ヒトへ運んでしまう危険性があります。
ノミ・マダニはこれらの病原体を媒介しますが・・・
特にマダニではここ数年前に中国で発見され、日本でもヒトに感染したという
報告のあるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)を媒介します。
この病気はヒトにおいて最悪死に至ってしまう恐ろしい病気です。
さて、これらの病原体の侵入を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
ノミ・マダニのよくいる草むらによく近づくわんちゃんたちは
どうすればいいのでしょうか?
当院ではフロントラインという皮膚に滴下する薬による予防をオススメしています。
フロントラインをつけてから24時間以内に全身に成分が行き渡ります。
つけてから24時間以内にはノミを、48時間以内にはマダニを100%駆除することが
出来ます。
この予防効果はつけてからノミ、マダニともに約1ヶ月しか持続しません。
ですからノミ・マダニの予防をしっかりするとなると毎月の投薬が必要となります。
ノミ・マダニはわんちゃんに対する感染症だけではなく、ヒトに対する感染症も
運んできます。
もしノミ・マダニの予防がまだの方がいましたら、わんちゃんと自身の健康を
守るため、この機会に予防を始めてみてはどうでしょうか?
もしよろしければ、こちら
の方のクリックをよろしくお願いします。