モルモットの乳腺腫瘍についてご紹介させて頂きます。
乳腺腫瘍というと雌の疾患とイメージしがちです。
ところが、雄でも乳腺腫瘍になってしまう事があります。
特に経験上、モルモットにその傾向があります。
モルモットの椿君(3歳、雄)は乳房にしこりがあるとのことで来院されました。
乳房から血液が混ざった滲出液が圧迫すると出て来ます。
どうやら両側の乳房に腫瘤(下写真黄色丸)が認められます。
乳房周囲の腫瘤を細胞診しました。
病理医から乳腺癌との診断を受け、腫瘍摘出を実施することとしました。
全身麻酔を施します。
腫瘍が発生している両側乳房を摘出します。
乳房には太い血管が走っていますので、縫合糸で結紮・止血します。
電気メス(バイポーラ)で止血・切開しながら乳房を切除しました。
両側乳房切除後の写真です。
広範囲にわたる切除となりました。
縫合後の患部にかかる緊張(テンション)が強いためステンレスワイヤーで縫合しました。
麻酔覚醒後の椿君です。
下半身の皮膚が縫合で突っ張っていますので、後足に力が入りにくいようです。
術後の経過も良好で無事、椿君は退院されました。
雄で乳癌なの?と驚かれる方は多いと思います。
モルモットに限らず、ヒトでも乳癌になる方もいるそうです。
モルモットの雄の乳腺癌は多く報告されています。
もし雄のモルモットを飼育されている方で、乳房にしこりが認められたら最寄りの動物病院で受診して下さい。
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