雄の犬でペニスが飛び出して戻らなくなってしまった!と来院されるケースがあります。
このペニスが戻らない状態とは何かと申しますと、包皮腔から突出した陰茎亀頭部が何らかの原因で包皮腔内へ戻れなくなっている状態を指します。
この状態を称して
陥頓包茎(かんとんほうけい)といいます。
原因は、多くが包皮口の被毛が陰茎に絡まって発症します。
問題は巻き込まれた皮膚の圧迫をペニスが受け、血行障害に至り、最悪壊死することです。
今回ご紹介しますのは、チワワのマロン君(4歳、雄)です。
下写真の通り、陥頓包茎になっています(黄色丸)。
陥頓包茎に飼主様が気づかれてまだ半日くらいしかたっていませんが、ペニスが若干浮腫を起こしています。
今回の写真はピントがあまり合っていません。申し訳ありません。
浮腫の程度がまだ軽度であれば、ベビーオイル等で潤滑よくしておいて、包皮に戻すことは容易にできます。
マロン君の陥頓包茎はなってから、短時間でしたので簡単に戻ってくれました。
具体的な治療法は以前、デグーマウスの陥頓包茎についての当院ブログに詳細を載せました。
興味のある方は
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重度の陥頓包茎の場合は、まずは浮腫を改善するため高濃度の砂糖水(20%以上)を患部に漬けて、浸透圧差を利用してペニスの浮腫を取ります。
冷湿布を患部にあて、浮腫を軽減する方法もあります。
以上の方法でも、ダメな場合は包皮をメスで切開して陰茎を戻します。
長時間にわたって陥頓包茎の状態が続きますとペニスが壊死を起こすこともあります。
何度もペニスが陥頓包茎になってしまう場合は、包皮口の被毛が長すぎることもありますので短くカットされた方がいいと思います。
ペニスが突出して戻らないと気づかれましたら、至急最寄りの動物病院で整復して頂くようお願い致します。
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