最近、仔猫を拾われて健診のため来院される飼主様が多いです。
野良の生活を経験している仔猫たちは、色んな物を摂食します。
その結果、寄生虫感染している個体も多いです。
ミックス猫のきのこちゃん(体重1.1kg、約2か月齢、雌)は、飼主様に拾われて当院に受診されました。
きのこちゃんの生まれてからの2か月は、動向が把握できてません。
まずは猫エイズ・猫白血病の血液検査を実施しました。
いずれも陰性でした。
猫ノミ、ミミヒゼンダニ、回虫、フィラリアの予防のためにレボリューションをつけます。
次に検便をします。
結果、何種類かの虫卵が検出されました。
まずは、壺形吸虫の虫卵です。
高度の感染を受けています。
この壺形吸虫の虫卵は良く見ると、表面が亀の甲羅のような模様をしています。
この壺形吸虫の生活環はちょっと変わっています。
終宿主は猫なんですが、第1中間宿主がヒラマキモドキガイで第2中間宿主がカエル、ヘビです。
おそらく、この界隈は自然もあり、きのこちゃんはカエル等を餌にしていたようです。
さらに別の寄生虫卵も見つけました。
これは猫鈎虫の虫卵です。
猫鈎虫の生活環は、母親の胎盤を介して胎児の頃に既に感染をうけているか、あるいは母猫の乳汁を介して授乳期に感染を受けるかしています。
さらに、もう1種見つけました。
下写真は、形態が鞭虫という虫卵に類似していますが、実は消化管内に寄生するタイプの
毛細線虫です。
毛細線虫は膀胱内に寄生するタイプが一般的と言われてます。
きなこちゃんの場合は、どちらかというと少数派の寄生虫が3種類も寄生しており、今回ご紹介させて頂いた次第です。
早速、駆虫剤を投薬して経過をみていくこととしました。
野良出身の猫は、おなかに色んな寄生虫やウィルス感染をしている可能性があります。
もし、仔猫の野良猫を保護される予定のある方は、必ず最寄りの動物病院で健康診断を受けて下さいね。
きのこちゃん、お疲れ様でした!
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