犬猫同様、フクロモモンガも白内障を発症します。
外見的には眼球の水晶体に当たる部分が白濁し始めます。
フクロモモンガは採食したり、滑空したり、活動の殆どを視覚に頼って生きています。
白内障もステージが進んできますと失明に至ります。
今回、ご紹介させて頂きますのはフクロモモンガのベイビーちゃん(2か月齢、雌)です。
上写真の黄色矢印で記した水晶体の部分が白くなっています。
日常的にはフクロモモンガは縮瞳の状態でいることが多いため気づかれないことも多いです。
フクロモモンガの白内障の原因は、先天性と後天性の2種類があります。
後天性の場合は栄養学的にはビタミンA欠乏症に起因するとされています。
また糖尿病の合併症状として後天的に白内障になるとの報告もあります。
先天性の場合は遺伝による白内障です。
ベイビーちゃんはまだ2か月ということで明らかに遺伝性白内障です。
フクロモモンガの母親が脂肪分や糖分の多い食餌を長期間にわたって与えられ、白内障の子供が生まれる例が多いようです。
治療法としては、適切量のビタミンAを含んだ食餌療法や白内障治療用の点眼薬投与ですが、あまり効果の程は期待できないでしょう。
フクロモモンガの寿命は10年以上とされますので、ベイビーちゃんはこれから長い人生があります。
白内障による視覚障害と付き合っていかなくてはなりません。
飼い主様のある程度の介護も必要となってくると思われます。
ベイビーちゃん、頑張ってください!
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