季節も秋となり、明け方は肌寒くなりましたね。
こんな季節の変わり目は体調を崩される動物が多いです。
免疫力も低下しますので、病原体による感染症にも要注意です。
今回、ご紹介しますのはプレリードッグの真菌症です。
プレーリードッグの大吉君(3歳、雄)は下顎から胸にかけて脱毛が激しいとのことで来院されました。
下写真、黄色丸が脱毛している部位です。
換毛期で脱毛ということもありますが、どうやら局所的な脱毛にとどっまています。
アカラス、疥癬をはじめとした外部寄生虫の可能性は、皮膚掻破検査の結果陰性でした。
内分泌的問題での脱毛であれば、左右対称に脱毛が生じますが左側のみにとどまっています。
最後に皮膚糸状菌の可能性を考えて、真菌の培養検査を実施しました。
その結果、真菌は陽性と判定されました(下写真で培地が黄色から赤に変化しました)。
皮膚糸状菌症は、
Microsporumや
Trichophytonが原因となって生じます。
上記の糸状菌の分生子(種みたいなものと思って下さい)が環境中に分散して、これを動物が被毛や皮膚に接触させて感染が成立されます。
症状としては、円形脱毛で始まるケースが犬猫では多いとされます。
プレーリードッグの抗真菌剤(内服薬)の薬用量は犬猫に準じた計算で処方します。
加えてミコナゾールシャンプーや外用抗真菌ローションを用いることで効率的な治療が可能です。
プレーリードッグに安全にシャンプーが出来るかという問題がありますので、当面は内服薬と外用ローションで効果を診ていく予定です。
今や希少種ともいえるプレーリードッグです。
真菌症を早く治して、長生きして頂きたく思います。
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