動物病院の診療料金はとても高いと思われている飼い主様は多いのではないでしょうか?
実際、初めて動物病院を利用される場合、時価いくらという高級寿司屋の暖簾をくぐるかのごとく、不安な思いで動物病院の診察を受けられる飼い主様も多いことでしょう。
動物病院によって診療料金が違うのはなぜか?
実は、獣医師の診療料金は、独占禁止法により、獣医師団体(獣医師会等)が基準料金を決めたり、獣医師同士が協定して料金を設定したりすることが禁じられています。つまり、現行法のもとでは獣医師は各自が料金を設定し、競争できる体制を維持しなければならないことになっております。したがって動物病院によって料金に格差があるのはやむを得ないのです。(社団法人日本獣医師会「小動物診療料金の実態調査」http://nichiju.lin.gr.jp/ryokin/ryokin_htm/top.htmlより)
動物医療においては、人間のような健康保険制度がありません。
そこで「自由診療」料金制を取り入れ、診察料金の設定は動物病院がそれぞれ定めることになっています。
病院施設、医療機器、使用する医薬品、スタッフの人員数等など維持管理費・人件費等は各病院で異なりますから、この費用が診療料金に反映されます。
よく去勢・避妊手術の手術料金で病院を評価される飼い主様がみえます。
A病院は手術代が安く、良心的だ。B病院は手術代が高く、ボッタくっている、等など。
病院によって、手術時の麻酔薬は異なります。
麻酔を注射麻酔で済ませてしまう病院もあれば、気管挿管してガス麻酔をする病院もあります。
手術中に心肺機能や酸素分圧・呼吸数・血圧などモニターを実施する病院もあれば、獣医の五感を頼りにモニターなしで手術する病院もあります。
同じ去勢・避妊手術だけでも各病院によって、これだけ内容が異なります。
限りなく手術の安全性を追求するならば、当然ながら最高の処置を選択するわけで、手術にかかる費用も高くなるのは自明の理です。診療料金が高いのは、それなりの治療を実施しているという裏付けになるでしょう。
一方で治療費の割安な病院は、高度な医療を日常的に行なっていることはないでしょう。
医療においては、安くて最高の治療ということはあり得ません。
もちろん治療費の差がそのまま医療技術のレベルに比例するというわけではありませんが、一般的ににいえば、治療費に差が生じる大きな要因は診断・技術レベルの違いでしょう。
その一方で、過剰に高額の診療料金を請求する病院もあるようです。
考えさせられるのは、高い治療費を請求する病院が、必ずしも高レベルの医療を実践しているとは限らない点です。
つまるところ、長年その病院を利用されている飼い主様の評価が全てを物語っています。
当院でも飼い主のみなさまが十分に納得できるよう、診療費の内容を明らかにするなど、透明性と客観性を目指しております。また動物医療保険会社との契約に基づき保険の適用が可能です。
診療に際して受診動物の病状や病態、検査や治療の方針・選択肢、病後の経過、そしてもちろん診察料金などについて、飼い主様に対して十分に説明を行なった上で、同意を得ながら治療を行います。
当院の診察料金は良質な獣医療を反映したものとなっております。
お見積・料金の問合せにも応じておりますので、必要な時はどうぞご遠慮なくお申し出ください。
私どもはこのようなお問合せにより、飼い主さんが不利益を被る事がないよう常日頃こころがけております。