6月17日に当院がリニューアルしてから、はや2カ月が経とうとしています。
病院内の備品も整理され、スタッフの動きもスムーズになってきました。
今一番、頭を悩ませているのは院内の温度管理です。
待合室が東向きになっており、朝日が直接入ってきます。
朝一番から、結構暑い空間になっており、患者様にも御迷惑をおかけしています。
天井が4m50cmと高いため、エアコンが効果を発揮できないのが残念です。
エアコンの吹き出し口に大きな扇風機のファン(ハイブリッドファン)を取り付けることも思案中です。
暑いと言えば、今年すでに熱中症で亡くなられたワンちゃんもいます。
犬や猫は汗腺の発達が悪く、汗をかくことができないため、もっぱら呼吸による換気で体温の調節を行っています。
特に短頭犬種(パグ・ブルドッグ・シーズー等)は換気不全に陥り、熱中症になりやすい犬種ですから注意が必要です。
この熱中症ですが、体温が41℃から43℃まで上昇し、初期段階では激しい呼吸・脱水が認められます。
さらに熱中症が進行しますと、筋肉の痙攣・虚脱状態・こん睡状態に至ります。
お散歩の最中とか室内で留守番をさせておいて、帰宅してから先の症状が認められたら大至急、体を冷やして下さい。
具体的にいえば、全身を冷水に入れて10分ごとに体温を測定して下さい。
それができなければ、頚部、腋下部、下腹部(内股)等に保冷剤を当てて冷却して下さい。
体温が39.5度になったら、冷水から体を出して下さい。(あるいは保冷剤をはずして下さい。)
これ以上冷やすと低体温症になり、病態が悪化します。
この時点で病院へ連絡して頂き、速やかに診察を受けて下さい。
基本は当たり前のことですが、炎天下の中を散歩に連れ出したり、閉め切った車内や室内に放置しておかないこと。エアコンをしっかり効かせた空間に動物をおくことです。
熱中症になってから治療するのは大変です。
体温で脳組織・筋肉が損傷を受け、命は救えても起立不能になったり、痙攣発作などの神経症状が残る場合もあります。
悲しい結末を避けるためにも、くれぐれも熱中症にご用心下さい。