フェレットのミミヒゼンダニについては以前、詳細を報告させて頂きました。
ウサギもフェレット同様、ミミヒゼンダニの感染を受けます。
ウサギ・ミミヒゼンダニ感染の場合は、フェレットより症状は酷いです。
耳の中の掻痒感が強く、ウサギは耳を後ろ足で引掻いたり、頭を振ったりします。
外耳道壁はミミヒゼンダニで穿孔され、結果できた耳垢はコーンフレーク状に固まって層状を呈します。
今回、ご紹介しますのはカペタ君です。
耳をしきりと痒がるとのことで来院されました。
耳の中を確認しますと次の写真の通りです。
黄色丸の中が耳垢がびっしり詰まっています。
黄色矢印の方向から垂直外耳道の中は完全にコーンフレーク状の耳垢が詰まっています。
この耳垢を採取して、顕微鏡検査しました。
しっかりミミヒゼンダニが多数、寄生しているのが確認できました。
ミミヒゼンダニの駆除にはセラメクチンが有効です。
早速、カペタ君に?レボルーションをつけました。
レボルーションはセラメクチンを主成分とする駆虫剤で、ミミヒゼンダニ、回虫、ファイラリア、ノミの予防・駆除に効果があります。
1週間後の再診時のカペタ君です。
耳の中が非常にすっきりしています。
1週間前には、びっしり詰まっていた耳垢が綺麗に無くなっています。
外耳道内に少し残っていた耳垢を検査したところ、ミミヒゼンダニの死骸は見つかりましたが、生存してるミミヒゼンダニはいませんでした。
カペタ君は耳の中の痒みもなくなり快適な生活に戻りました。
多頭飼育されているご家庭では、感染個体がいれば接触することで、他の個体にもミミヒゼンダニは移りますから注意が必要です。
耳を痒がる仕草とコーンフレーク状の耳垢が認められたら、まずはミミヒゼンダニを疑って下さい。
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