エボシカメレオンは最大全長が65?に達するカメレオンです。
高地にある湿度の高い森林に生息しており、ペットとして飼育される場合も高さのあるケージが必要となります。
ここで問題になるのは、紫外線ランプをケージの真上に備え付けて照射した場合、生体が観葉植物の上の方に常時いたりしてランプとの距離があまりに近いと、眼球に障害が出る場合があります。
今回ご紹介しますのは、紫外線ランプのすぐそばにいて、まぶたが開かなくなってしまったエボシカメレオン君です。
まだ幼体で全長も5cm位しかありません。
大きく成長した暁には、後頭部の突起部がちょうど烏帽子のような形状になります。
矢印が示すように薄目を開けているように見えますが、実は眼が痛くて開けない状態にあります。
カメレオンの場合、眼が見えませんと満足に餌を捕食することもできません。
紫外線は太陽光スペクトルの青の外側にある目に見えない光線です。
眼球の前面で紫外線の大部分が吸収され、一部が網膜に達します。
紫外線は波長が320〜400nmのUV-A(A紫外線)と280〜320nmのUV-B(B紫外線)があり、UV-Bが眼に障害を与えるとされます。
UV-Bの大部分は角膜と水晶体に吸収され、組織障害を引き起こします。
爬虫類用の紫外線ランプは太陽光と比較して、照射量は少ないわけですがUV-B量が全体の5%〜10%に及ぶ製品もあります。
加えて今回の様に幼体のカメレオンの場合は、紫外線からある程度、観葉植物の葉などで身体を遮蔽できる場所が必要です。
以前、パンサーカメレオンの眼病で処置したのと同様、眼球洗浄と点眼を実施しました。
処置後に目が少し開くようになりました。
暫くは点眼が必要ですが、紫外線の照射には気をつけて下さいね。
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