発情中のフクロモモンガは、男性ホルモンの影響で攻撃性が増強されるケースも多いです。ペットとして飼育する上では、つがいであれば雌のモモンガに、あるいは飼い主へ攻撃したりする個体もいるわけです。犬・猫同様、睾丸を摘出する去勢手術を実施することでそれらの行動の大部分を抑えることが可能です。今回はフクロモモンガの去勢手術の様子をご紹介しましょう。
当院では、イソフルランというガス麻酔で全身麻酔を行い、去勢手術を実施します。
ガスマスクの中に入ってもらい(上左写真)、まずは寝てもらいます。フラフラし始めたら、自家製のマスク(上右写真)を口に付けてガス麻酔開始です!
フクロモモンガの陰のうは腹部の中央あたりに存在しています。
ペニスは肛門に近いところにあり、雄犬の生殖器のレイアウトに比べると不思議な感じがします。
左の写真は陰のうに切開を入れたところです。
下の写真は精巣動静脈を縫合糸で結札したところです。
左写真は摘出した睾丸です。
右写真は手術終了して切開した陰のうを縫合したものです。
ガス麻酔を終了してから5分後には、完全に覚醒しました。