梅雨入りをまじかに控えて、皮膚病関連の患者様も増えているように思います。
今回、ご紹介しますのはモルモットのハジラミ症です。
シラミというと戦後、進駐軍によってDDTという殺虫剤と生活環境の改善により、存在すら忘れ去られてみたいでしたが、海外旅行で国内にシラミを持ち込むケースが増えているそうです。
ヒトの世界では寄生虫は肩身の狭い思いをしているようですが、動物の世界では寄生虫は日常にしっかり溶け込んでいます。
モルモットの政宗君です。
体全体を痒がる、被毛に白いものが付いているとのことで来院されました。
被毛についてる白い粉のような点がお分かりになりますか?
黄色い部分が実はシラミが付着している部分です。
この白い所をセロテープで吸着してスライドガラスに張り付けて顕微鏡でみました画像です。
拡大した画像です。
腹の中には卵があるのがわかります。
顕微鏡で見ていますと眼球が眼窩から飛び出たり戻ったりして、非常に面白い動きをします。
この気色悪い寄生虫はカビアハジラミと言います。
体長は1〜1.5?で細長く、脚先端は明瞭な爪はなく、腹部は卵円形です。
落屑を主な養分とするシラミです。
伝播はもっぱら接触感染です。
治療としては、イベルメクチンの内服で駆虫します。
ヒトに感染する心配はありませんが、モルモット自身はこのシラミによって、脱毛、脂漏、痒みを呈します。
早くシラミを駆除しましょうね、政宗君!!
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