新米獣医師カーリーのつぶやき-part71~ProbioticsとPrebiotics~-
2016-07-25 09:30
有限会社もねペットクリニック
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こんにちは、獣医師の苅谷です。

梅雨も明け、学生の皆さんは夏休みに入り、暑い夏がやってきましたね。

真夏日を超えることも増えてきているので、熱中症が怖い時期になってきました。

特にイヌやウサギといった動物は熱中症になりやすいため、暑さ対策はとても重要ですね。





今回はプレバイオティクスとプロバイオティクスについてお話します。

まずこの二つについての違いについてお話します。

プレバイオティクスは胃や小腸といった上部消化管では分解・吸収されず、前述したプロバイオティクスの栄養源となり、腸内フローラのバランスを維持することに役立つものとなります。

プロバイオティクスとは腸内フローラ(腸内細菌叢(そう))のバランスを改善することによりカラダに有益な作用(健康な状態を維持)をもたらす微生物のことを示します。

さてこれらのものにはどんなものがあるかというと・・・・

プレバイオティクスにはオリゴ糖や一部の食物繊維が含まれます。

プロバイオティクスには乳酸菌やビフィズス菌などが含まれます。

これらの物質や微生物はヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆などに含まれています。

効果としては整腸作用はもちろんのこと、整腸作用以外にもその効果が期待されています。

一つ目がプロバイオティクスの効果で体に害のある菌、いわゆる悪玉菌の活動を抑えることにより抗生剤の投薬による副反応を軽減できることです。

どうしても抗生剤を投薬していると悪い菌を叩くだけならばよいのですが、少なからず体に利益をもたらす菌まで叩いてしまうため、腸内バランスを崩して下痢になってしまうこともあります。

また、長期間の使用は耐性菌の出現にも影響があるため、その部分に関しても関わってきます。




二つ目は腸内のバランスを保つことにより体の免疫機能を良い状態に保つという効果があります。

どうして腸内のバランスを保つと免疫機能が良い状態になるかというと・・・

粘膜のある腸を含む消化管、鼻腔、気管といった呼吸器などの臓器は外の世界に接しており、いろいろな細菌やウイルスと常に遭遇している状態にあります。

外の世界と接していない臓器は基本無菌的なため、良い菌であったとしても、悪い菌だったりしても体の中の無菌的な臓器に入り込んでしまうと不具合が起きてしまいます。

そのため外の世界と接している粘膜のある臓器は外から体の中に細菌やウイルスといった微生物を入れないように免疫細胞が活発な状態になっています。

つまり免疫細胞の最前線ということとなります。

そのため、腸内のバランスが悪くなると免疫細胞に不具合が生じ、免疫力が落ちてしまったり、自分自身の細胞を誤認識してしまうIBD(炎症性腸疾患)といった自己免疫疾患を引き起こしてしまったりします。

また、免疫機能のバランスが崩れてくるとアレルギーやアトピー性皮膚炎などの疾患も引き起こしてしまうこともあります。

自己免疫が関わる疾患になってくるとどうしてもステロイドや免疫抑制剤といったお薬を使って生涯付き合っていくしかないです。

当然お薬には副反応が少なからずあります。

まだ検証中でありますが、プロバイティクスの免疫調整機能を利用して症状を緩和、お薬を軽減できる可能性も秘めています。

健康は食事からという言葉ある通り、腸内バランスは食事と密接に関係があり、腸内のバランスを保つことは健康であることに繋がってきます。





今回お話ししたプロ(プレ)バイオティクスに関しては特定の食材にも含まれていますが、効率よくとるためには補助食品としていくつかサプリメントがあります。

過去の当院のブログにて紹介をさせていただきましたマイトマックスデンタルバイオといったものです。

ただ有用な微生物を省庁や大腸といった腸へ生きたままたどり着かせるためには胃酸という強力な体を微生物から守る機構のある胃を通過しないといけません。

そのため、これらの商品は設計上考慮されています。

プレバイオティクスはこの点に関してはほぼ問題がないですが、お腹の中に体に有益な菌があ少ないと効果は薄くなってくると思います。

私も過去にひどい花粉症で悩んでいた時にプロバイオティクスを飲んでいました。

本当にひどい状態でしたので実感としては少し改善したかなとそのような感じでしたが・・・

皮膚やお腹が弱い子に関してはこのような補助食品を利用することによって腸を健康に保つことにより健康な状態を保てることもあります。

このようなもので頼らなきゃいけないお薬の量を減らせたら良いなと思います。

今回は以上で終わります。

もしよろしければ




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