こんにちは、獣医師の苅谷です。
現在台湾で野球のプレミア12が開催されていますね。
日本戦に限っては地上波で試合終了まで放送してくれているので私としてはうれしいかぎりです。
準決勝以降東京ドームで試合が行われるので各国の選手が台湾と東京の寒暖差で体調を崩さないことを望むかぎりです。
※写真はプレミア12と関係ないナゴヤドームのものです(^-^;
さて、最近は朝晩の寒暖差が激しくなってきているので体調を崩すことが多くなってくると思います。
そんな中、お腹の調子が悪くなって連れてこられることが多くなってきています。
便の形がなくなったり、黄色のゼリーみたいなものが出て来たり、便に血が混じっていたり・・・
といった症状があります。
いつもと違う食餌をとることで消化不良を起こしても同様の症状が出ることがありますが、この寒暖の差が激しい季節の変わり目などでは環境による体へのストレスの影響でお腹が緩くなることが多いです。
ストレス(精神的なものも環境的なものも含めて)が体にかかってくると免疫力が下がってきます。
この状態が続くと体が微生物に悪さをされてしまいます。
特に微生物と接触する機会の多い消化管―お腹の中では免疫細胞が頑張り、悪さをする微生物から体を守ったり、体に有益な微生物を利用したりして悪さをする微生物をあまり増やさせないようにしています。
そのような中で寒暖の差のような気候の変化で体にストレスが生じると免疫力が下がってしまうと・・・
通常であればその子に有益な腸内微生物のバランスで保たれているところが崩れてしまいます。
そして、一部の細菌が過剰に増殖したり、免疫により抑えられていた病原性のある寄生虫や食中毒菌の一種であるクロストリジウムなどが現れたりすることもあります。
症状が軽い場合は免疫力の回復とともに腸内の微生物のバランスが是正されてお腹の調子も元に戻ることもあります。
しかし、体がストレスに対応できず、悪さをする微生物が免疫では抑えきれないほど勢力が優勢になってしまった場合はお腹の調子が悪いままずるずると長引いてしまいます。
このような情報は便を顕微鏡で確認することでわかります。
下痢をするということは食餌から十分なエネルギーが摂取できない状態になるので長引かせると体力が奪われ、危険な状態になります。
特に時間の進み方が私たちより断然早いハムスターなどの小動物になればなおさらです。
便の調子がちょっとおかしいなと思ったらすぐに診せに来てください。
今回は以上で終わります。
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