こんにちは、獣医師の苅谷です。
先日、地元で鮎の放流が行われたというニュースをみました。
ローカルニュースとはいえ、地元のこととなるとなつかしさを覚えますね。
今回は食品に関わる微生物についてお話ししようかと思います。
私たちの身の回りには意外なところで微生物が関わっています。
食品をはじめ、下水処理、医薬品、色々な酵素を用いる工業、品種改良や害虫駆除において用いる農業など多岐に用いられています。
さて、今回話題となる食品における微生物ですが・・・
一つが微生物そのもののタンパク質を栄養素(サプリメント)として食べるものともう一つが一番馴染の深い発酵食品があります。
まず食用としての微生物は代表的なものとして海苔、少し前、将来の食料やエネルギー問題で話題となった東京大学発のみどりむしですね。
こういったものはビタミン類やミネラルといった必要な栄養素を含んでいます。
次は発酵食品です。
発酵が用いられている食品はパンをはじめ、お酒類、味噌や納豆、ヨーグルトなどの乳製品、漬物などがあります。
この中の食品たちは適度にとれば体に良いとはよく言われますね。
そこでこの中(ヨーグルトや漬物)で関わってくる乳酸菌やビフィズス菌について更にお話しします。
乳酸菌やビフィズス菌はいわゆる腸内の善玉菌と呼ばれる部類に入ります。
これらはどのような働きをしているのでしょうか?
一つはみなさんご存知の通り、整腸作用があります。
いわゆる悪玉菌の増殖を抑え、腸内の状態を良い状態に保つ作用があります。
二つ目は免疫調整作用があります。
腸内というのは体の中でも外的に最も曝される場所であるため、免疫の最前線とも呼べる場所です。
悪さをする菌ーいわゆる悪玉菌の勢力が強いと免疫も常に反応する状態になり、免疫のバランスが崩れてしまい、炎症性腸疾患やアレルギー性疾患の原因になるという報告もあります。
ここで挙げた疾患の治療は主にステロイド剤を使っていきますが、完全に治しきるということはできず、生涯付き合っていかなければなりません。
しかし、ステロイド剤を長期にわたり使用していくとなると、以前も
ブログにてお話ししましたが、気になるのはその副作用です。
現在は症状が落ち着くまで継続して服用し、落ち着てきたら漸次的に量を減らし、以後は症状が出たときのみ服用いう方針での治療を行っています。
ただ最近では乳酸菌といったものを摂取することで症状をコントロールできたり、使用するステロイド剤といった免疫を抑える薬の量を減らすことができるという報告も出てきています。
薬だけではなく、食品で病気を治すことができればよいのですが、やはり食品ですので体(お腹)に合う合わないがあると思います。
その疾患をもったこにとって一番いい方法を模索していくことが必要ですね。
余談ですが納豆に含まれる納豆菌ですが、納豆を食べない海外の科学者からしてみるととある病原菌と同じ仲間であるため、食べることが信じられないという冗談を人伝ですが、聞いたことがあります。
実際の納豆の効能は調べられていますし、これまで日本で食べられてきた歴史があるので問題はないですけどね。
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