新米獣医師のつぶやき-part25-~咳~
2014-12-30 10:12
有限会社もねペットクリニック
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こんにちは、新米獣医の苅谷です。

最近よく車に鳥の糞をかけられて気分が若干沈み気味です。





もしかしたら車の色とかも影響しているのでしょうか?

何か対策を取らないといけないかなと少し考えています。


さて、今回は咳にまつわる病気ついてお話しします。

まず咳の基本的な起こる理由ですが・・・

外部から気道に入ってきたほこり、煙、病原菌などを外に出すために起こる生理的に重要な防御反射です。

しかし、気道の炎症や物理的な圧迫によっても起こり得ますので、何か病気のサインかもしれません。

咳がひどくなってきますと肺における空気の入れ替えが上手くいかなくなり、元気がなくなり、動いてもすぐに疲れてしまう状態になります。

それでは、その中で代表的なものを少し挙げていきます。





喉頭炎、気管支炎、肺炎といったものは体の免疫が弱ってきたときに細菌やウイルスといった病原体に感染することによって起こります。

症状が悪化してきますと咳が止まらなくなったり、胸に膿がたまってきたりします。

次に気管虚脱ですが・・・

気管を支えている気管軟骨が生まれつき柔らかく、呼吸の時に気管がぺったりと平坦になることで起こります。

生まれてからあまり時間のたっていない小型の若齢のわんちゃんで多く、気管の軟骨が十分にしっかりとしていないため、ガチョウのような「グゥァーグゥァー」といった音を聞くことが多いですね。

若齢のわんちゃんであれば、成長していくにしたがって落ち着いていきます。

左心疾患、リンパ腫、食道内異物は気管を気道外から圧迫してしまうことにより咳を誘発します。

この中で左心疾患―特に僧房弁閉鎖不全症は小型犬で高齢のわんちゃんに多く認められます。

これは心臓を仕切る僧房弁という蓋が上手く閉まらなくなり、血液が左心房に逆流するようになり、左心房の拡大、逆流による全身に送る血液の量を補うために心臓の収縮が多くなるため、左心室が拡大します。

そして、心臓の大きさは大きくなり、心臓より背側に位置する気管を押し上げる形で圧迫し、咳をするようになります。

この病気のこわいところは心不全に陥ることもそうですが、血流が逆流により滞るため、肺に水が溜まってしまう肺水腫になることです。

この肺水腫になると咳とともに血が混じってきて、心臓も心不全に近い状態ですので、かなり瀕死の状態です。

このように色々と咳の出る病気があります。

咳がでているからカゼかな?(厳密にいうとヒトでいうカゼとは異なりますが)と安易に考えず、もしかしたら何か大きな病気が隠れているかもしれません。

気管支炎や心疾患も早期に発見することができれば、改善や悪化することを防ぐことができます。





今年の四月より勤務を始めて、早々に少しハプニングがありましたが、何とか乗り越え、今年を終えることができました。

まだまだ私は獣医師として未熟ですが、来年も獣医師として前に進めるよう精進していきたいと思います。

また来年もよろしくお願いします。



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